雨が降る〜♪

雪が降る〜♪って、アダモだったかな?古い曲があったけれど、外は、シトシトと静かに雨の音。昨夜のような激しい雷雨でもなく、この雨で、水不足が少しでも補われたらいいなぁ〜と願いながらも、雨の日、ほんとうは、苦手なんだった・・・結構、その日の気分を、天候に左右されやすいという所があって、そんな外部の状況に左右されるようでは、いけないわ〜と、言い聞かせているのだが、雨降りということで、思い出すことがあった。
 息子の大学入試が終わり、いざ、宿探しというときに翌日の天気予報を調べたら、雨だったので「どうする?日にちを変えようか?」と聞いたら、「大丈夫、ボク、雨の日も好きだよ。」という返事。「部活があったでしょ。雨が降ると休みになるんだ。だから雨の日は、本も読めるし、好きだったんだ」雨の日には、メランコリーな気分になってしまっていた母親は、その言葉に、大いに勇気ずけられて、一日も早く、押さえておきたい宿探しを決行することができた。雨の中、歩きまわってびしょ濡れになり、靴を一足、大学の生協で買い換えたり、なつかしい思い出。そして、彼は、今でも、その界隈に住んでいる。あの頃、受験勉強で忙しくてゆっくり親子で話もできなかったから、行き帰りの新幹線の中で交わした数々の会話は、とても、新鮮だったから、今でも覚えている。「あー、あの本は、お母さんの本だったんだね。名前が違うから、お友達から借りたのを返してないのかと思っていたんだけれど」それが、三島由紀夫の『春の雪』だった。文学少女(笑)だったわたしは、ペンネームを書いていたのだけれど、まさか、息子が知らないあいだに読んでいるとは思わなかった。めくるめく青春の思い出の中に引き込まれてしまいそうになりながら、不思議なめぐりあわせをも感じていた。感性の遺伝って、まぎれもなく確かにあるのだろう。でなければ、中学時代までは、テニス部のキャプテンするくらいにテニスに熱中していた子が、高校になって、教科書の中にでてきた『美神』という三島の小説に出逢っただけで、いきなり、文学に開眼するとは思えない。彼は、三島から、渋沢龍彦に出会うことになる。『三島由紀夫覚書ノート』だったかな?その中で、三島の仏語訳をしたアンドレ・ピエール・ド・マンディアルグという作家(この人の作品の「オートバイ」は、映画にもなっているらしいが)の書いた批評を渋沢が絶賛しているのを読んで 自分でも訳ではなくて原文で味わいたいといってフランス文学科を選んだのだった。そして、カミュの『異邦人』、このことについても、書き出したらあるけれど、午後からは、明日からの、高原ロッジでの合宿に備えて、お出かけするので、このあたりで置いておくことにしようかな・・・See you again !