チベットチベット

夕方からは、「ひびきの森」さんでの上映会。(午後と夜と2回にわけて上映された)
雨の中、駐車場で、知り合いの方に声をかけられて、話しながら、ヤマモモの樹の側にある木の階段を登って、中に入ると、受付には、ノコちゃんがいて、嬉しそうな顔で迎えてくれた。上映前に、丸いテーブルに4人で座って、出来立てのメロンパンと、珈琲をいただく。あわただしく出てきたので、夕ご飯の代わりになってありがたかった。チベットチベットは、在日コリアン3世の旅人の視点からみた、チベットの問題を追ったドキュメント映画。日本名金森太郎こと金昇龍は、ビデオカメラを片手に1997年、行く先を決めない世界一周の旅に出た。はじめて、訪れた祖国、韓国、民族とは何か、国籍とは何か、世界市民に憧れ帰国したら、日本に帰化しようと思っていた彼は、モンゴルのゲルでみた、亡命中のダライラマの写真に出会ったことがきっかけで、チベット亡命政府のある北インドダラムラサという街を訪ね、そこにいる亡命チベット人に、在日コリアンを重ね合わせる。それまで、祖父母から聞かされていた民族の誇りについて、亡命チベット人の姿から学ばされ、どうしても、チベットの地を訪れたいという気持ちになり、予定を変更して、ラサに入る。彼の問題意識は、じょじょに高まり、チベット亡命政府ダライラマ14世への10日間にわたる同行取材も可能となる。
 学生時代、所属していた研究会で講演されていたチベット亡命政府からの留学生のペマ・ギャルポ君という青年の名前が記憶の彼方に蘇っていたら、最後にスクリーンの字幕に名前がでてきた。
 中国やアジアの各地の地名や、空気の薄いラサの風景など、はぁちゃんが、見たら、なつかしいのではないかと思いながら、自分も旅をしたり、ダライラマ14世と逢っているような錯覚を感じる。非常に質の高いドキュメント映画だった。
 終了後、りえさんとノコちゃんと、3人で話していたら、ついつい時間がたつのを忘れてしまうくらいだった。屋外のベランダに出たら、そこがまた、夜空の見晴らしもよくて、いつまでも、話がつきなくて・・・りえさんとは、これまで、何度かお目にかかることはあっても、じっくりとお話する機会がなかったのだけれど、こないだから、急にご縁が深くなって奥の深い方だなぁと思うと同時に、静かで落ち着いた雰囲気の中に秘められたお若い頃からの活動家ぶりが伺えた。また、偶然にも同じ年だということがわかってからは、とても、親しみを感じている。ノコちゃんが、「ひびきの森」に足しげく通うのも、成るほどとうなずける。
みんなで楽しみながら、ワンネスに向かっているような感じのした雨の夜だった。