白いマナティー

 朝、実家の父から電話が入る。お盆をはずして、子供達が帰省してくることを伝える。
夫は、年に一度の同窓会に出席のため、夕方から出かけている。その前に、たまたま、TVの画面で、海の中のセイウチが映っていた。すると、何を思い出したのか「人魚のモデルは、マナティージュゴンらしいよ」という。海でも陸でも生き物というか、動物が大好きな夫に比べると、名前を聞いてもピンとは来ない。「どっちが、好きなの?」「どっちも、好きだよ」といって、「貴女は、マナティーかな?白いマナティー、ネットにもでてるはずだよ。」ところが、ネットで検索してみたら、なんだか、ズングリムックリの海の中の生き物で、どこが、人魚なの?と思って「もしかして、体型が、そうだっていう訳?」と突っ込むと、「違うよ。癒し系っていうこと、ホラホラ、ゆ〜ったりと、泳いでいるでしょ」ちょっと、意外なお答えだった。でも、一緒に生活しているパートナーに、癒し系だといわれるのも、まんざら、わるい気持ちがしないでもない。そういえば、以前は、イルカだといっていた。イルカは、普段は、海の中で泳いでいるけれど、ときどき、息をするために、水中から、飛び上がる。それを、日常生活から、ときどき、飛び出しては、いろんな所にお出かけしていく妻のことを、そういう喩えで表したのだろう。しかし、いつの間に、イルカから、マナティーになったんだろう?
 それで、さらに、夫にマナティージュゴンの違いはというと、マナティーは、淡水に住んでいて、ジュゴンは、海水に住んでいるらしく、違いは、尾の形ということだった。両方とも、海の海草を食べて生きているらしい。イルカとの違いは、イルカの方が、スピーディーなんだって!あ〜、聞くんじゃなかった。