お花見

lyra2006-04-08

 お天気も良いことだし、朝から夫と帰省中の次男と3人でドライブがてら実家のお庭のお花見に出かける。「婦人画報」や「家庭画報」のグラビアに登場するような豪華なお花見弁当には、ほど遠いけれど、早朝から、重箱に手作りの品々のお弁当を詰める。あとは、途中で海苔巻きや稲荷寿司や、お刺身などを買い足してと、気分はピクニック!本当に久々の行楽日和、今年は、桜の開花も遅かったので遅ればせの「お花見」を年老いた両親と共に楽しんだ。 
 それから、屋敷の生垣の近くに郵便配達の人が配達しやすいようにと出してあった郵便受けを、高齢化のため、郵便物を取りにいく途中で転倒したりすることがないように、玄関近くに移してほしいということだったので、夫と次男の日曜大工が始まった。おかげで、想像以上のモダンなポール式のポストが玄関の脇に鎮座。夫と息子、親子仲良くホームセンターに買い物に行き、桜吹雪の舞う中、工作している姿は、なかなかに微笑ましくて、絵になる光景で、桜の大好きな長男にも見せてやりたいと思った。仏蘭西では、まだ、ストライキが続いていて大学は休講のようだ。
 
   ○道の辺に咲くやこの花 花にだに
       縁なければ我逢うべしや 
                 金田一京助(花明)

   ○桜花 散りじりにしも 別れゆく
       遠きひとりと 君もなりなむ
                 折口信夫((迢空)

 緑内症のため、ほとんど視力を失っている様な状態の父が、ペンをもって、思い出したように書き付けた恩師の和歌。もしかしたら、未公開のものかも・・・こんな万年文学青年の父と人生を共にしてきた母の現実的な苦労はいかばかりだったかと自分自身が、まがりなりにも妻となり母となって、そう、思う。夫によれば、その父に姿顔形から中身まで一番よく似ているのだそうだけれど(笑)

  実家にいる間に、石橋上人の御紹介で、昨日、ご縁をいただいたばかりのKさんという方から携帯電話が入って、お近ずきの印しにとさっそくご自身のCDを贈ってくださったそうで石橋上人からは、プロのピアニストだとは伺っていなかったので予想外のプレゼントに驚いたり、数奇な運命と闘いつつ力強く生きておられる魂の強さに感動したり、なんていうのかハートの片隅に暖かい感情がゆっくりと流れていく感覚とでもいうのか、桜舞う季節に、思いもかけぬ不意の魂の出逢いを感じた。