名門の粋、魔王

 雨の中、薩摩地鶏のおいしいお店に繰り出す。そのうち2人は、この3月に結婚されたばかりのアツアツカップル! だから、真っ赤な傘での☆相合傘☆が、なんとも微笑ましくて、そのお2人を夫と別々の傘をさして挟む形でお店に入ると、今回の企画者の陶芸家夫妻がお待ちかねだった。地鶏のバラエティーに富んだメニューにつられたのと、夫が飲めない分をフォローしようとちょっと、飲みすぎてしまったかな? 陶芸家のお知り合いのお店のオーナーのサービスで出された『魔王』という焼酎は、ブランデーでいうと、『ナポレオン』級に匹敵する銘酒とのことだったけれど帰りには、何故か、わたしの手の中に渡されていた。余程、のん兵衛と思われたのかなぁ〜(笑)
 いつもは、寡黙な陶芸家のS先生は、何故か、わたしを相手にすると人が変わったみたいに饒舌になり無防備状態になられるというのが夫を含めた周囲の一致した見方で、いつも、飲み会には「奥さんは、大丈夫?」とお声がかかり、今回も、注がれるままにたくさん飲まされ、S先生も気持ちよさそうに多弁だった。お会計も全部、S先生。

空瓶だけでも値打ちという、いただいた『魔王』のラベルには

ウィスキー・ブランデー等の長期間、樽に貯蔵する洋酒は呼吸作用等の熟成の為、少しずつ原酒の量が減少していき、そのお酒を昔より「天使の分けまえ」と呼び、貴重で縁起の良い酒とされてきました。本格焼酎『魔王』は天使を誘惑し、魔界へ最高の酒を調達する悪魔たちによって、もたらされた特別のお酒という意味で命名致しました。熟成酒ならではの飲みあきのしない穏やかな風味が、グラス越しに時の雄大さを知る。華やかに香り立ち、豊かな余韻を残す酒。まさに名門の粋。今宵も受け継がれるロマンの一滴。

 
と、書かれていた。

 解散したあと、お若いカップルを自宅に招いて珈琲や烏龍茶で酔いを醒ましながら遅くまで話していたら、12時近くになっていた。皇太子様に似ている旦那さん&色白で京人形のような奥さんの仲睦まじいお2方、これからも、どうぞ末永くお幸せにと見守っていてあげたい。